★Ask questions （質問しよう━ＳＥＣ）
あなたの投資についてどんな質問をしたらよいか･・
そして問題が起こったらどうしたらよいか
これは賢い投資のしかたにつてのベスト･アドバイスです。投資の前にこのような基本的な質問をしていたら、どんなに多くの人々がトラブルや損失をさけられたことでしょう。私達はそうした例をたくさん知っています。あなたがたが苦労して手に入れたお金を渡す前に、まず証券会社の背景を徹底的に知り、評価することが必要です。
Investor Tip
どの証券会社を撰ぶかはとても重要な事です。これから取引をしようとしている証券会社に顧客の苦情はないか、規制・監督機関との間に問題が起きていないか等を知りたいと思うのは当然です。廃業していないか、倒産していないか等も調べるべきです。廃業や倒産などしていたら、たとえ仲裁や裁判で勝っても、お金を取り戻す事はできません。
初心者であろうと、何年も取引をしていようと、質問を始めるのが早すぎるとか遅すぎるということはありません。どのようにあなたのお金を投資するかについて無意味な質問などあるはずがありません。どれも大切な質問なのです。ためらっていてはいけません。あなたのお金に関することなのだということを忘れないで下さい。プロにちゃんとアドバイス料も払っているのです。
良い販売員やアドバイザーならたとえどんな基本的な質問であっても、あなたの質問を歓迎します。プロはよく教育された顧客は資産であり、負債ではないということを知っています。後になってあなたの怒りや混乱に出くわすより、投資をする前に、あなたの質問に答える方がずっとよいと思っているのです。
この冊子に、投資商品やそれを売る事業者について、何を質問したらよいかを書きました。買った後のモニターのしかたや問題が起こった時の対処の仕方にも触れました。
投資をしようと思った時には、この冊子を手元に置き、必要な質問をしてください。この冊子はきっと役立つことでしょう。メモ用紙と鉛筆を手元に置くことも忘れずに！答を一つ一つ必ず記録しておきましょう。将来紛争になった時、取引の過程でなにをいわれたかを証明するのに役立ちます。またメモすることは事業者へのプレッシャーになり、事業者に次のことをアピールできます：‘私は賢い真面目な金融消費者です。投資商品のリスクとリターンについてもっともっと深く知りたいと思っています。’
投資商品についての質問
●この投資商品はSECや州の証券規制当局に登録されていますか。
●この商品は私の投資目的にふさわしい商品ですか。どういう点が私にふさわしいのでしょうか。
●どのようなリターンが得られますか。（配当？利息？キャピタル・ゲイン？）特に、この商品の価値が高まり、私が多くのリターンを得るためには、なにがおこらなければなりませんか。（金利や不動産価値やマーケット・シェアー等の上昇？）
●購入時、投資期間中、解約時トータルでどれだけの費用がかかりますか。費用を差引いた後損も得もない状態になるまでには、この商品はどの程度の運用成績をあげなければなりませんか。
●この商品の流動性は高いですか。必要な時換金できますか。
●この商品の特別のリスクはありますか。最高で損失はいくらまでですか。（例：金利の変動景気後退、競争の激化、マーケットの変化等によりどのような影響をうけますか。）
●会社設立から何年経っていますか、経営に熟練していますか、過去の経営の結果は成功といえますか、いままで投資家のために利益をあげたことがありますか等。
●会社は利益をあげていますか。競争相手の会社と比べてどうですか。
●この投資商品についてもっと情報を得たいのですがどこで得ることができますか。SECに届出た最近のリポ−ト類を入手できますか。（目論見書、募集広告、最新の年報、財務諸表等）
投資信託については次の質問もしてください
●長期の運用実績を教えて下さい。このファンドの中立的な評価をどこで知ることができますか。
●このファンドの特別なリスクはなんですか。
●どういうタイプの証券がこのファンドで運用されていますか。ポートフォリオの組替えはどの程度頻繁に行なわれていますか。
●短期で急激に上下するタイプの証券に投資していますか。（例：デリバティブ等）
●同じタイプのファンドや指標と比べ、このファンドの運用実績はどうですか。
●購入時の費用はいくらかかりますか。また投資期間中継続的にかかる費用はいくらですか。
投資商品を売る事業者についての質問
●州の証券規制当局に登録していますか。SEC、州の証券規制当局、全米証券業者協会（NASD）、証券取引所等から懲戒処分を受けたことがありますか。
Investor Tip
事業者のコンプライアンス違反の情報は中央登録保管機構（ＣＲＤ）で確認できます。州の証券規制当局、全米証券業者協会会社（ＮＡＳＤＲ．Inc）からもＣＲＤの情報を得ることができます。州の証券規制当局の方がより多くのＣＲＤ情報を提供してくれるかもしれません。特に投資者の苦情に関しては州の証券規制当局の方が豊富な情報を提供しています。したがって、まず州の証券規制当局にアプローチするのがいいかもしれません。州の証券規制当局とのコンタクトの取方は北米証券行政官協会会社（North American Securities Administrators Association，Inc）のホームページをみればわかります。NASDRにコンタクトをとるには、ホームページまたは(800)289-9999にアプローチしてください。
●会社はいつからビジネスを行なっていますか。いままでに何件の仲裁裁定の申し立てがありましたか。
●あなたはどのような研修を受け、またどのような経歴がありますか。どのくらいの期間このビジネスに従事していますか。今までにこの会社以外に登録していた会社があったらを教えて下さい。どんな身分でですか。
●個人的に仲裁の申立をされたことがありますか。何についての争でしたか。
●投資についてどのような哲学をもっていますか。
●典型的な顧客のタイプを教えて下さい。長期にわたって取引している何人かの顧客の名前と電話番号を教えていただけますか。
●報酬は歩合ですか。その場合あなたが管理している資産総額はどのくらいですか。それとも歩合以外の方法で報酬を受け取っていますか。
●私は費用の支払方法を選択できますか。取引の成立ごとに支払うことになりますか。取引数と関係なく一定の額を支払うのでしょうか。
●この株（債券、投資信託）を私が買うと、他の商品を私が買った時よりあなたは多くの収入を得ることになりますか。あなたが得る収入が他の商品を勧めた時と変わらないとしたら、それでもこの商品を勧めますか。
●セールスコンテストに参加していますか。私に購入を勧めるのは本当に私の利益を考えてのことですか。それともセールスコンテストでいい成績をとりたいためですか。
●この株（債券、投資信託）を買うといくら費用がかかるか説明してもらいましたが、いまそれを売ると、いくら私のところに入ってきますか。
●私のオーダーをどこの市場に送るのですか。他の市場ならもっと安く買えるということはないのですか。
●（ブローカーが転職する場合は次の質問をしましょう。）転職の際、転職先からお金が支払われるのですか。私をいっしょにつれていったらなにかあなたに見返りがありますか。
投資期間中にする質問
●運用報告書はどの程度頻繁に交付されますか。私が読んで解るでしょうか。
●私の投資のリターンは私の期待や目標にあっていますか。私が信じるに至ったとおりの運用成績がでていますか。
●今日この商品を売ったらいくら戻ってきますか。
●現在費用をいくら継続的に支払っているのでしょうか。
●運用成績との関係で当初の私の目標通りでしょうか。もしそうでなければ、この商品は今でも私に適合していますか。
●いつ売ったらよいかについて私はどんな基準に従えばよいですか。
問題がおこった時どうしたらよいか
すぐに行動をおこしなさい。法的行動をおこせる期間は法により限定されています。
問題解決のため次の手順に従って迅速に行動して下さい。
１．担当者に何が問題かを説明してください。どこに間違いがあるか、説明や文書は明確だったか。それから自分のノートをチェックしてください。担当者はなんと言いましたか。ノートにはどう書かれていますか。
２．担当者が問題を解決できない時は、支部長に話しなさい。
３．それでもだめなら会社の本部のコンプライアンス部に手紙を書きなさい。手紙には、問題の所在を明確に書き、どういう解決を望んでいるかを書きます。30日以内に必ず返答するよう求めます。
４．それでもだめなら、オンラインを使って、または手紙等でＳＥＣの投資者教育＆支援オフィスに苦情を申し出てください。
ＳＥＣは苦情の調査をし、担当者や会社に連絡し、あなたの問題や疑問に答えるよう求めます。調査の結果があなたの満足のいくようなものである場合もありますが、そうでない場合は法的手段に訴える必要があります。調停・仲裁等の情報をお知らせし、必要なら弁護士事務所の所在をお伝えします。
Investor Tip
以上の質問をした時には、必ず答えと答えをきいて自分がどう決断したかを書いておきましょう。問題が生じた時、どういう説明がされたかを立証するのに役立つでしょう。記録をしていることを事業者に知ってもらいましょう。かれらはあなたがまじめな投資家であることを知り、もっと深く説明してくれるでしょう。質問する時には、このSECのフォームを役立てて下さい。
賢く投資するための情報をもっとほしい人のためにSECはいろいろなな印刷物を用意しています。ホームページや電話で請求してください：
http://www.sec.gov./investor/pubs/askquestions.htm
原文⇒http：//www.ｓｅｃ.ｇｏｖ./ｉｎｖｅｓｔｏr/ｐｕｂｓ/ａｓｋｑｕｅｓｔｉｏｎｓ.ｈｔｍ
参考コメント⇒読売新聞
朝日新聞
金融広報中央委員会